細菌学

【牛の呼吸器感染症】②牛のマイコプラズマ肺炎

牛のマイコプラズマ肺炎

・牛のマイコプラズマ肺炎は、カタル性炎や間質性肺胞炎を主徴とする牛の伝染性肺炎。

宿主

・宿主は、牛と水牛。

病原

・病原体となるのは、Mycoplasma bovisなどのマイコプラズマUreaplasma diversum など。

  • 基本的に、マイコプラズマは単独感染ではごく軽微な肺炎を惹起するのみ(日和見感染的)であり、死に至ることはほとんどない。
  • 感染しても病原体に対する特異抗体が産生され、治癒する。
  • マイコプラズマでも、牛肺疫は重症になるため要注意!

分布・疫学

・世界中に分布。

・主な感染経路は感染牛との接触感染飛沫吸入による気道感染

  • 病原性マイコプラズマは上部気道から分離されることが多いが、正常肺からはほとんど分離されない。
  • マイコプラズマは子牛に常在するが、発症には病原因子やストレスなどの誘因が必要
  • 病原因子の例:季節、飼養、衛生環境、常在する微生物の種類 など。

診断

症状

・マイコプラズマの単独感染では多くが無症状

M.bovisによる子牛の気管支肺炎

→発熱、乾性発咳、頻呼吸、高粘性鼻汁

・慢性例

→関節炎や中耳炎を惹起。

→子牛で中耳炎が進行した場合、斜頸を呈する。

病理

・肉眼的所見

→肺前葉から肺後葉に拡大する肝変化した無気肺病変が認められる。

→混合感染した微生物の種類によって、腫瘍や気腫などの様々な所見が観察される。

・組織学的所見

M.bovis単独感染の場合

 ⇒カタル性気管支炎、気管支周囲の著明な細胞浸潤(周囲性細胞浸潤肺炎)、リンパ濾胞の過形成が特徴的。

→自然発生した場合

 ⇒ほとんどが他の微生物との混合感染。

 ⇒混合感染した微生物の種類によって、様々な所見が観察される。 

病原診断・血清診断

・病原診断

→蛍光抗体法、PCR

・血清診断

→CF反応、HI反応、ELISA など

予防・治療

・予防

→国内で承認されたワクチンはない

→飼養管理と衛生環境を徹底、ストレスの軽減。

→患畜の早期発見と早期治療。

→導入牛の検疫。

・治療

→マイコプラズマや混合感染している病原体に有効な、抗菌薬やワクチンの投与。

参考資料

・動物の感染症〈第四版〉

・管理人のまとめノート

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