細菌学

【牛の生殖器感染症】①ブルセラ病

ブルセラ病

・ブルセラ病は、流産、早産、死産を主徴とする感染症。

法定伝染病人獣共通感染症に指定。

宿主

・主な宿主は、水牛めん羊山羊鹿イノシシ、犬

→その他の動物や人にも感染。

  • 法定伝染病に指定されている動物種については太文字オレンジ線で表記。

病原

・病原体となるのは、Brucella melitensis , B. suis , B. abortus , B. canis , B. ovis , B. neomatae など。

→グラム陰性の好気性短桿菌

偏性細胞内寄生菌

  • 病原体の種特異性が高い。
  • B. melitensis , B. suis , B. abortus , B.canisは三種病原体等、BSL3に指定。

分布・疫学

・自然感染は全ての経路で成立。

→動物間だけでなく、感染動物から人への感染もあり。

→感染源:流産胎子、胎盤、悪露、精液、乳汁 など

 ⇒菌が乳汁中にも排泄されるため、公衆衛生上重要。

診断

症状

・牛

流産、不妊、精巣炎、関節炎、膿瘍液性、乳房炎 など

 ⇒流産は妊娠後期(6~8ヶ月)が最も多い

 ⇒発熱などはほとんど見られない!

・人

発熱、関節痛、疲労、うつ状態 など

 ⇒妊婦では流産の報告あり

 ⇒発熱は有熱期と無熱期を不規則に繰り返すため、波状熱(マルタ熱)と呼ばれる。

  • 流産した動物では、人で見られる発熱やその他の所見に乏しいため、臨床的に感染を知ることは困難。
  • 流産の前駆症状を示さないため、予測も困難。

病理

・組織学的所見

→病変部の結節性肉芽腫病変を特徴とする。

→結節病変部の類上皮細胞とリンパ球の浸潤。

→まれに結節中心部に壊死または細菌の集積。

病原診断・血清診断

・病原診断

→流産や死産胎子の消化管内容物、胎盤、悪露、乳汁、精液、リンパ節、腫瘍臓器を採取して分離培養。

B. abortusB. ovisは炭酸(CO₂)ガス要求性

→実験動物に材料を摂取後、分離する方法もあり

・血清診断

→急速凝集反応

→試験管凝集反応

→CF反応(確定診断

→ミルクリングテスト(日本×

→Coombs反応(日本×

→ELISA

予防・治療

・「家畜伝染病予防法」に基づいた摘発と淘汰を行うため、治療は行わない。

参考資料

・動物の感染症〈第四版〉

・管理人のまとめノート

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