細菌学

【牛の消化器感染症】①ヨーネ病

ヨーネ病

・ヨーネ病は、病原体の経口感染によって起こる反芻動物の慢性消化器感染症。

法定伝染病に指定。

宿主

主な宿主はめん羊山羊水牛鹿、野生反芻動物。

  • 法定伝染病に指定されている動物種については太文字オレンジ線で表記。

病原

・病原体となるのは、Mycobacterium avium subsp. paratuberculosis

→培地上にコロニーを形成するまでに長時間を要する遅発育性菌

→鉄のキレート物質であるマイコバクチンが発育に必要。

分布・疫学

・主要な感染経路は患畜の糞便で汚染された餌・水・牧草などを介した経口感染による水平感染。

→重症例では乳汁感染や胎盤感染も。

→特に6ヶ月齢以下の子牛が感染しやすい。

診断

症状

病理

・類上皮細胞肉芽腫の形成とリンパ流の停滞によって通常の数倍に肥厚した粘膜面が「わらじ状(皺襞)」の特徴的な肉眼病変を形成。

→腸管粘膜にはチール・ネルゼン染色によって、類上皮細胞や多核巨細胞の細胞質で増殖した病原体の集塊が見られる。

病原診断・血清診断

・病原診断

→糞便のチール・ネルゼン染色によって集塊状の病原体を直接検出。

→マイコバクチンを添加したハロルド培地で発育可能だが、発育速度は遅い(遅発育性菌)

・血清診断

→感染初期(細胞性免疫を利用)

 ⇒ヨーニン皮内反応IFN-γ検査

→感染後期(液性免疫を利用)

 ⇒抗体検査(牛:ELISA / めん羊・山羊:CF反応)

現在はPCRリアルタイムPCRなどの遺伝子検査が一般的。

予防・治療

・予防

→5年ごとの定期的検査による感染牛と排菌牛の摘発と淘汰、消毒の徹底。

・治療

→「家畜伝染病予防法」に基づいた摘発と淘汰を行うため、治療は行わない。

ヨーネ病の摘発頭数の推移

・1990年代後半から感染牛が急増し、現在は年間800~1000頭の発生が見られる。

  • 1971年:ヨーネ病が家畜伝染病に指定(比較的新しい家畜伝染病)
  • 1997年:5年ごとの全頭定期検査が導入
  • 2006年:牛のヨーネ病防疫対策要領の作成
  • 2007年:ヨーネ病の疑似患畜と見られる牛の生乳出荷停止問題が発生
  • 2008年:スクリーニング検査の導入
  • 2013年:リアルタイムPCR法を確定検査として採用

参考資料

・動物の感染症〈第四版〉

・管理人のまとめノート

引用元リンク

File:国内の年次ヨーネ病発生経過.png – Wikimedia Commons

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