細菌学

【牛の生殖器感染症】③リステリア症

リステリア症

・リステリア症は、病原体の感染による脳炎、流産、敗血症を主徴とした感染症。

→主に反芻獣で発生。

人獣共通感染症に指定。

宿主

・宿主は、牛、めん羊、山羊、馬、豚、犬、野生動物、鳥類、人 など。

病原

・病原体となるのは、Listeria monocytogenes

→グラム陽性通性嫌気性桿菌

細胞内寄生菌

→運動性(+)

→4℃での発育(+)

→食塩耐性

→CAMP反応(+)

→血清型:4b、1/2b

単球の増加:齧歯類(+) / ヒト・反芻獣(-)

→自然環境や消化管に存在

分布・疫学

・世界中で発生し、日本でも発生。

・冬~春先(3~5月)に発生

→牛:散発的に発生 / 羊:集団発生

・糞便などによって汚染された水や飼料から家畜へ経口感染

→変敗したサイレージでは大量の菌が存在し、主な感染源となる。

脳炎型

→飼料を介して口腔粘膜の傷などから体内に侵入し、三叉神経から脳幹部へ移動して発症。

敗血症型流産型

→飼料を介して腸管上皮細胞やM細胞から体内に侵入し、血行性に伝播して発症。

診断

症状

・脳炎型

→脳炎症状

 ⇒斜頸、平衡感覚の失調、旋回運動、流涎、咽喉頭麻痺、舌麻痺、耳翼下垂 など

→成牛:2週間以内に死亡。

→子牛、めん羊、山羊:2日以内に死亡。

・流産型

流産が妊娠後期(牛:7か月/めん羊:12週以降)に散発的に発生

・敗血症型

→敗血症によって、子牛や子羊で半日から1日程度の経過で死亡。

病理

・脳炎型

→延髄、脳橋、大脳脚、小脳髄質、頸髄上部における微小膿瘍の形成。

病原診断・血清診断

・病原診断

→菌分離

 ⇒脳炎型:延髄と脳橋の境界付近を使用

 ⇒流産型:胃内容物や胎盤を使用

・培地:血液寒天培地やパルカム培地

→増菌:4℃で1~4週間培養

→PCR

・血清診断

→ELISA など

予防・治療

・予防

→変敗サイレージや粗剛飼料の給与を避ける。

・治療

→治療効果は期待できない。

参考資料

・動物の感染症〈第四版〉

・管理人のまとめノート

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