vetCBTの目的
CBTって何?
CBTとは「Computer Based Testing」の略です。
文字通りコンピュータを使った試験で、主な特徴として
- 受験者ごとに異なる問題を出題できる
- 合否が受験直後に分かる
などの特徴があります。
この試験形式は多くの6年大学で採用されており、獣医学部の他に、医学部・歯学部・薬学部で実施されています。
合格した後は?
vetCBTと実技試験であるvetOSCEの両方に合格すると、臨床実習生(スチューデント・ドクター)の資格が与えられます。
この資格がもらえることで初めて、参加型臨床実習を受講することができるようになります。
参加型臨床実習では、実際に病院に来院した飼い主と動物を相手にした実習を行っていきます。
不合格だった場合
vetCBTまたはvetOSCEの一方、もしくは両方に不合格だった場合、約1ヶ月後の追・再試験を受験することになります。
追・再試験は本試で支払った受験料にプラスで同額の受験料が発生します。
また、受験会場が本試と異なる可能性が高く、移動時間と交通費も発生します。
できるだけ一発で合格したいところです。
ちなみに、vetCBTとvetOSCEの料金はそれぞれ12,500円です。つまり、考えられるパターンは…
- vetCBTに不合格
- 12,500円の受験料 + 試験会場までの交通費
- vetOSCEに不合格
- 12,500円の受験料 + 試験会場までの交通費
- vetCBTとvetOSCEの両方に不合格
- 25,000円の受験料 + 試験会場までの交通費
追・再試験にも不合格だった場合は、臨床実習生(スチューデント・ドクター)の資格が与えられないため、自動的に参加型臨床実習の単位を落とすことになります。
vetCBTに出題される問題
本番の前にまずはトライアル
トライアルを行うのにはいくつか理由があります。
機械の操作に慣れる
vetCBTはパソコンに表示される問題を選んで解答する選択形式です。
トライアルでは本番と全く同じ流れで教員が指示を出すため、その言葉に従って本番で間違った操作をしないように、しっかりと流れを把握しておきましょう。
一部の問題を除外する
個人的にはココがトライアルを実施する主な目的なのかな、と思っています。
後で詳しく書きますが、トライアルの問題は本番でも出題される可能性があります。
また出題側としては、正答率をある程度の範囲で抑えようとする意図があるように思います。
つまり、学生側にvetCBTに慣れてもらうのと同時に、
- 正答率が高すぎる問題を除外する
- 正答率が低すぎる問題(不適問題を含む)を除外する
そんな狙いがあると考えられます。
ネコ紳士の場合、
そもそも問題文の意味が理解できずに「🙄」となった問題
絶対に正解がなくて「😵」となった問題
の両方が1問ずつありました。
結果は「点数」で通知される
最初に書いたCBTの特徴で「合否が受験直後に分かる」と書きましたが、それはCBTという試験方法の特徴であって、vetCBTの場合は数週間後に結果が「点数」として通知されます。
vetCBTの合格点は60点以上なので、この時点の点数であと自分がどれだけ勉強しなければいけないのかの大まかな指標になります。
ちなみに、ネコ紳士はちょうど総復習に手を付け始めた頃でしたが、7割くらいの点数でした。
トライアルの問題が本番でも出る(ことがある)
問題は「プール」の中から出題される
vetCBTで出題される問題は大学の関係者(教員の方々など)が作成しています。
作られた問題は1問ずつ精査されて「プール」としてストックされます。
プールの中には大量の問題があり、そこから分野ごとに、ランダムに問題が出題されます。
個人差はありますが、ネコ紳士も1問だけトライアルの問題が出題されました!中には「結構出た」と言う人もいます。
トライアルの前に「お試し」をやってみよう!
vetCBTは大学ごとに実施する日時が異なります。
早いところだと4年後期、遅いところだと5年前期に実施されます。
2022年に実施された(または実施予定)の日程表はこちらからどうぞ。
「トライアルの前にどんな感じの問題が出るのか、見てみたい!やってみたい!」
そんな方々もいると思います。
「NPO法人 獣医教育支援機構」では、CBT体験受験というものを無料でお試しできるので、気になる人はこちらからチャレンジしてみてください。
体験版・トライアル・本番の全てで、解答の正誤は表示されないので注意してください。
感覚的には、「CBT体験版」はトライアルや本番よりも「易しめ」だと思います。
本番の問題数と解答時間
合格率は?
合格率は「ほぼ100%」ですが、一部に不合格の人がいるのも事実です。
油断せずに勉強しましょう。
過去の合格率はこちらに掲載されています。
時間が余っても油断大敵
vetCBTは3つの分野それぞれ、100問/70分で解答します。
- 導入・基礎獣医学(100問)
- 解剖学や生理学、生化学などが出題範囲
- 病態獣医学(100問)
- ウイルス学や細菌学、病理学などが出題範囲
- 応用獣医学(40問)・臨床獣医学(60問)
- 産業動物臨床学や伴侶動物臨床学、腫瘍学や画像診断学など、臨床系の問題が出題範囲
結果は「合否」で通知される
vetCBTとvetOSCEの結果は両方とも数週間後に通知が来ます。
ただし、トライアルのような点数は開示されず、知らされるのは合否のみになります。
追・再試は約1ヶ月後に実施されるため、通知が来た日から勉強を始めていると残り1,2週間しか残っていません。
本試で「ヤバいかも…」となった人は、通知が来る前からコツコツ勉強しておく必要があります。
vetCBTに向けた心構え
vetCBTは国家試験に向けた準備運動
vetCBTは獣医国家試験と同じ選択問題で、比較すると難易度も易しいですが、とにかく「体質」が違います。
小見出しに「準備運動」と書いたのもそのれが理由です。
国家試験の過去問に目を通していると分かりますが、「確かにこれは国試に出そうだけどこの選択肢は…」といった問題もちらほら散見されます。
つまり、vetCBTは6年生で国試勉強をするための「アイテム作成」に利用するべきです。
まとめを作っていない科目があるなら、まとめを作る。
苦手な科目があるなら、先を見据えて少しずつ復習する。
そうすれば数年先の自分が、勉強の前の「まとめを1から作らなきゃ😥」をしなくてもよくなるので、勉強に集中できる時間を多く確保することができます。
もちろん、vetCBTもvetOSCEも合格するのが大前提ですよ!
まとめ
- vetCBTの目的
- 試験は選択形式で、パソコンで解答する
- 合格すると参加型臨床実習(必須科目)を受講できる
- vetCBTに出題される問題
- 問題の「プール」からランダムに問題が出題される
- トライアルの問題が本試で出ることもある
- 本番は100問/70分を3セット
- vetCBTに向けた心構え
- 「vetCBT ≒ 国家試験」ではない
- 国家試験の勉強でも使えそうな「アイテム」を作る